ITエンジニアの採用はなぜ難しい?要因と採用成功のためのポイントを解説
- 「ITエンジニアの採用が上手くいかない」
- 「ITエンジニアはそれ以外の職種の採用と比べて難しい気がする」
- 「ITエンジニアの採用を強化するために理解を深めたい」
優秀なITエンジニアは企業の競争力を高め、企業の成長をけん引する存在です。
そのためITエンジニアの確保は現代の企業の重要な経営課題のひとつといえますが、採用の難易度は高く、各社の採用担当者の頭を悩ませる問題でもあります。
当記事では、ITエンジニア採用の難しさについて様々な観点で解説したうえで、ITエンジニア採用を成功させるためのポイントを紹介します。
貴社の採用活動をより良いものにするためにも、当記事を参考にしてみてください。
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ITエンジニア採用が難しいと感じる外的要因
様々なメディアや企業から「ITエンジニア採用は難しい」という声が上がっています。ITエンジニア採用が難しい要因について、採用市場の観点で以下の4つの要因を解説します。
- 1.ITエンジニアの絶対数が少ない
- 2.ITエンジニアの採用競争が激化している
- 3.ITエンジニアの働き方が多様化している
- 4.ITエンジニアが採用市場に現れにくい
1.ITエンジニアの絶対数が少ない
1つ目の要因は、ITエンジニアの絶対数が少ないことです。
生産年齢人口の減少に伴い、「求人を出しても応募が集まらない」といった母集団形成に苦戦する企業が増えています。経済産業省の「IT人材需給に関する調査(概要)」によると、2030年には最大約79万人のITエンジニア不足が生じると試算されています。
出典:IT人材需給に関する調査(概要)- 経済産業省
現在、AIやIoT技術などの先端技術の急速な発達や、デジタルトランスフォーメーション(DX)に投資する企業の増加、2021年9月のデジタル庁設立など、日本全体でICT投資が活発になっており、今後もITエンジニアの需要は伸びていくことが予想できます。
もちろん、わずかではありますが年々ITエンジニアの人口は増加しています。しかしながら、それ以上にITエンジニア求人の件数が増加しており、ITエンジニア不足に歯止めがかからない状態といえます。
2.ITエンジニアの採用競争が激化している
2つ目の要因は、ITエンジニアの採用競争が激化していることです。
ITエンジニアの絶対数が少ない一方で、企業の採用ニーズは非常に高い状況にあります。この背景には、AIやIoT技術などの先端技術の急速な発達や、デジタルトランスフォーメーション(DX)への積極投資などがあります。
ここでいうDXは、自動車業界のCASE(ケース)や、FinTech(フィンテック)、HealthTech(ヘルステック)といった、ある分野に最新のIT技術を導入することを意味する「X-Tech(クロステック)」も含まれます。
様々な業界でIT技術の導入が進んでいるため、ITエンジニアを求める企業の絶対数が増えていることも、ITエンジニアの採用競争の激化の要因といえます。
特に、汎用性の高いプログラミング言語であるJavaや、AI開発で活用される頻度が高いPython、IoT技術の発展に伴って注目が集まるC言語などは、求人倍率が高騰しています。
出典:ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向2022年7月
レバテック株式会社の「ITエンジニア・クリエイター正社員転職・フリーランス市場動向2022年7月」によると、Java(BtoB)は21.8倍、Pythonは16.6倍、C言語は13.2倍と極めて高い求人倍率となっています。
3.ITエンジニアの働き方が多様化している
3つ目の要因は、ITエンジニアの働き方が多様化していることです。
2017年に閣議決定された働き方改革によって副業が推進された結果、副業をはじめる人が増えました。近年では、ITエンジニアが個人で案件を獲得できるプラットフォームが増えているため、フリーランスに転向する人材や副業(複業)する人材がより一層増えています。
ランサーズ株式会社が実施した「新・フリーランス実態調査2021-2022年版」によれば、フリーランス人口は1,577万人、経済規模は23.8兆円であると報告されています。
この数値を2015年と比較すると、人口は68.3%(640万人)、経済規模は62.7%(9.2兆円)増加という結果であり、フリーランス市場は大きく拡大していると言えます。
出典:新・フリーランス実態調査2021-2022年版
コロナ禍の影響を強く受けているとはいえ、「得意分野を活かせる」「興味のある分野に挑戦できる」「企業に属すよりも高い報酬を得られる可能性がある」など、ビジネスパーソンが特定の企業に所属する必要性が薄れつつあると考えられます。
フリーランスで働くという選択肢が、ITエンジニア採用の難易度を上げている要因のひとつといえます。
4.ITエンジニアが採用市場に現れにくい
4つ目の理由は、ITエンジニアが採用市場に現れにくいことです。
友人や知人、過去の同僚やITエンジニアのコミュニティなど様々な経路で仕事が紹介される機会が増えています。結果として転職サイトや転職エージェントに登録せず転職活動が完結してしまうケースも増えている状況です。
先に紹介した通り、フリーランスへの転向も盛んに行われています。優秀なフリーランスのITエンジニアであれば、一般的な転職活動を行うことなく副業先にそのまま転職するため、スキルの高いITエンジニアほど採用市場に現れにくくなっている可能性もあります。
そのため、ITエンジニアの市場価値やITエンジニア採用の難しさを理解している企業は、待遇を見直してエンジニアの離職を防ぐ取り組みを行っています。給与や就労環境の改善、IT子会社の設立など、ITエンジニアにとって魅力的な企業を作るために投資を行っています。
以上から、そもそもITエンジニアが採用市場に現れないという状況が生まれています。
ITエンジニア採用が難しいと感じる3つの内的要因
ITエンジニアの採用が難しい要因は採用市場の変化によるものだけではありません。企業の採用活動が市場に適合できていないために、競合企業との人材獲得競争に遅れをとっている可能性もあります。
ここでは、ITエンジニア採用が難しい要因として、採用現場の間違いを以下の3点紹介します。
- 1.ターゲットがあいまい
- 2.面接官が人材を見極められない
- 3.ITエンジニアが求める条件と企業が提示できる条件が合わない
1.ターゲットがあいまい
1つ目の要因は、取るべきITエンジニアの人物像があいまいなことです。
ITエンジニアに限らず、採用活動全般に当てはまることですが、自社で活躍するような採用すべきターゲットを絞り込めていない場合、採用の難易度は高くなります。
ターゲットが絞り込めていなかったり、統一されていない場合、求職者に訴求すべきメッセージを決めることができません。求めるスキルや業務経験を明らかにして募集要項に含めることはもちろん、ターゲットが転職に求める情報を積極的に発信する必要があります。
ターゲットの解像度を上げる手段として「採用ペルソナ」を作ることが挙げられます。採用ペルソナを作ることで、ターゲットのニーズが理解でき、採用活動の方向性を固めることができます。
採用ペルソナの作り方は以下のコラムで作り方を紹介しております。参考にしてみてください。
https://moovy.jp/column/recruit-how-to-make-persona
2.面接官が人材を見極められない
2つ目の要因は、面接官が人材を見極められないことです。
ITエンジニアの経験がない採用担当者が面接を実施している場合、ITエンジニアに関する知識やスキルを持ち合わせておらず、結果として自社に必要な人材かどうかを見極められないケースがあります。
例えば、履歴書や職務経歴書から正確にスキルを判断できなければ、自社が求めていない人材を通過させることに繋がります。履歴書に資格が記載されているからといって能力があると判断するのは早計です。
資格を保有していることと、実務で活躍できることは、必ずしも一致しません。結果として、選考のプロセスに無駄が生じてしまいます。
採用のプロセスに精通していないITエンジニアが面接をしている場合も問題が生じます。必要なスキルや能力を持っていても、組織の風土や文化に合わない人材では定着が図れません。その場しのぎの採用を行っていては、組織を拡大することは困難といえます。
以上のように、ITエンジニアの採用においては、スキルとパーソナリティの両面で人材を見極める必要がありますが、採用体制を構築するなど適切な対応をしなければ実現することは難しく、結果として「人材を見極められない」という状態に陥ります。
3.ITエンジニアが求める条件と企業が提示できる条件が合わない
3つ目の要因は、ITエンジニアが求める条件と企業が提示できる条件が合わないことです。
これまで紹介した通り、ITエンジニアの市場価値は高く、ITエンジニアが求める給与や待遇条件も高くなっています。スキルが高いITエンジニアが求める給与・待遇などを用意できない場合、ITエンジニアの転職先の候補に上がることは困難です。
また、競合他社と条件面で負けてしまうケースや、経営層の理解不足で雇用条件の改善が進まないといったケースもあり、現在の採用市場に適合できない企業は圧倒的に不利な状況に追い込まれてしまうといえます。
ITエンジニアと企業の間に生まれるミスマッチについては、以下のコラムで詳しく解説しております。参考にしてみてください。
https://moovy.jp/column/recruit-engineer-mismatch
ITエンジニアの採用を成功させる5つのポイント
それでは、ITエンジニアの採用を成功させるために、企業や採用担当者はどのような対策をすれば良いのでしょうか。
ここでは、ITエンジニアの採用を成功に導くポイントを5つ紹介します。全て取り入れるのは難しいかもしれませんが、ひとつでも多くの要素を取り入れて、早期にITエンジニアの採用体制を構築することをおすすめします。
1.自社のITエンジニアを巻き込む
1つ目のポイントは、自社のITエンジニアを巻き込み、採用活動への協力を仰ぐことです。
前述の通り、専門性が必要なITエンジニア採用において、自社のITエンジニアの協力は必須です。ITエンジニアの経験がない社員だけで採用を進めれば、ITエンジニアからの応募が集まらない、評価ポイントがズレるなどの問題が生じます。
多くの企業はITエンジニア不在で採用を進めているため、ここを是正するだけでも大きな効果が期待できます。
しかしながら、現場のITエンジニアに採用を丸投げしてはいけません。ITエンジニア経験者だけで採用を進めれば、採用市場の動向に合わせることが困難です。必要以上に高いスキルを求めてしまうことで採用活動が終わらないといった問題が生じる可能性があります。
面接での正確なスキルチェックや現場社員との面談、求人票の内容確認など、自社ITエンジニアを巻き込み、採用活動を前進させましょう。
2.必要なスキルを整理する
2つ目のポイントは、ITエンジニアに求めるスキルを整理することです。なかでも開発に用いる言語やフレームワークといった項目は開発コストやシステムのUI/UXに大きな影響を与えるため、適切に選ぶ必要があります。
とはいえ、ITエンジニアの採用の難易度は高く、理想だけを追い求めると採用ができないリスクが生じることも事実です。社員教育の体制が整備できるのであれば即戦力ではなく、ポテンシャルを考慮した採用を行うことも検討しましょう。
募集要項の業界経験や開発経験、経験年数の記載を見直し、あえて条件を緩めた内容に書き換えることも、ITエンジニアの応募を集めるポイントといえます。
この時、仕事以外の経験を踏まえてスキルを判断する体制を作っておくことをおすすめします。なぜなら、ITエンジニアが経験や知見を積む機会は、本業、副業、コミュニティ、書籍、自己学習、ITスクールなど多岐に渡るからです。
「どんなサービスを開発したのか」「困難な課題をどう解決したのか」「これまでどのような言語・ツール・サーバー構成などを経験したのか」といった業務面に関する質問のほか、「ある技術やツールを選んだ理由は何か」「最近勉強していることは何か」「弊社について改善した方が良いと思う点は何か」など、ITエンジニアの主体性に関する質問を用意ましょう。
多角的に活躍の可能性を探る面接をしていくことで、自社で活躍するITエンジニアかどうかをより正確に判断することができます。
以上から、必要なスキルの整理は、「条件の見直し」と「多角的なスキルの評価」の両軸で成り立ちます。自社で活躍するITエンジニアとはどのような人材なのかをしっかりと整理しましょう。
3.選考スピードを上げる
3つ目のポイントは、選考スピードを上げることです。
優秀なITエンジニアほど、多くの企業からアプローチをかけられています。労働環境や待遇で戦うことが困難であっても、情報交換や選考スピードを早めることで採用を成功に導くことができます。
例えば、一次面接から社長やCTOが対応することは、優秀なITエンジニアをグリップする手段のひとつです。また、面接の後に「現場の社員とも面談しないか」と打診し、当日に次の選考まで進めてしまうことも、選考プロセスの省略に繋がる有効な手段です。
「面接回数を減らす」「選考結果の連絡を即日にする」などの様々な施策を通じて、選考のスピードを上げていきましょう。
4.選考の柔軟性を上げる
4つ目のポイントは、選考の柔軟性を上げることです。
相手が優秀なITエンジニアであり、何としても獲得したい場合は、求職者に合った条件を模索し、特別な対応をすることも有効です。
副業や業務委託、社会人インターンなどの打診も視野に入れることも有効な手段です。互いのマッチングを確認したほうが双方にとってメリットがあると丁寧に説明すれば、断られるリスクも少なく、将来的に入社してもらえる可能性も広がります。
また、求職者に即決を強いる必要もありません。例えば、内定の返答期限を1年間に伸ばし、「この期間であればいつでもあなたを受け入れます」のような方法も取ることができます。固定観念に縛られることなく、求職者に合わせて最適なオファーを検討することが、内定辞退を最小限に抑えるポイントと言えます。
5.採用チャネルを最適化する
5つ目のポイントは、採用チャネルを最適化することです。
ITエンジニアの採用は様々な企業にとって重要な課題です。そのため、ITエンジニアの採用を支援する様々なサービスが存在しています。採用が難しいITエンジニアの採用を成功させるためには、ITエンジニアが採用しやすい手法を選び、活用することが近道といえます。
従来の求人広告や人材紹介サービスにも、ITエンジニアに特化したサービスがあるほか、SNSなどを活用した新しい手法が誕生しています。以下のコラムで採用チャネルの選び方や各種の特長を紹介しています。参考にしてみてください。
https://moovy.jp/column/recruitment-engineer-method
エンジニア採用が難しいと困っている全ての担当者へ
本コラムでは、ITエンジニア採用の難しさを様々な観点で解説しました。採用競合に先んじて優秀なITエンジニアを獲得するためには、それ相応の対策が求められます。当記事を参考に、貴社独自の採用体制の構築を進めてください。
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- この記事を書いた人
神奈川県出身。国立大学を卒業後、大手サービス業界で店長を歴任。その間人事などの業務を通じ、多くの面接を担当。退職後、エンジニアとして株式会社moovyにjoin。現在はシステム開発に加え、カスタマーサクセスなどを担当し、企業の人事に関わる。