選考辞退はこうして起こる|候補者体験を改善する6つのポイント【保存版】
多くの企業が抱える代表的な採用課題のひとつが「選考途中で辞退されてしまう」問題です。
一次面接は通過するのに、二次で辞退される。他社に最終段階で奪われてしまう。
あるいは、面接までは進むのに途中で連絡が途絶えるーー。
こうした現象は決して珍しいものではありません。実際、85%もの企業が選考辞退を経験しているというデータもあります。
では、なぜ選考辞退は発生するのでしょうか。
そして、どうすれば選ばれる企業になれるのでしょうか。
本稿では、応募〜内定までに発生する「6つの辞退ポイント」を軸に、
選考辞退を防ぐための“候補者体験(Candidate Experience)”の設計方法をわかりやすく整理して解説します。
この記事の内容は、以下のYouTubeでも詳しく話しています。
選考辞退に悩む多くの企業が見落としているポイントをまとめたチェックリストをご用意いたしました。
候補者体験のすべてをいきなり改善するのは簡単ではありません。どこで辞退が発生しているのかを把握し、優先順位をつけて改善していくことで、確実に辞退は減っていきます。
ぜひこちらの「候補者体験チェックリスト」を活用し、採用活動を改善していきましょう。
なぜ選考辞退が起こるのか|候補者体験が重要視される理由
候補者体験(Candidate Experience)とは何か
候補者体験とは、候補者が企業を知り、応募し、選考を受け、内定承諾に至るまでの“全ての接点の体験”を指します。
- ・求人票
- ・採用サイト
- ・SNS
- ・面接時の対応
- ・合否連絡
- ・オファー面談
- ・内定後フォロー
こうした一つひとつの体験が蓄積し、候補者の意思決定に影響を及ぼします。
重要なのは、スキル・経験がマッチしていても、候補者体験が悪ければ辞退は起こるということです。
実際、エン・ジャパンの調査では、
辞退理由の上位に「企業の対応が悪かった」が入っています。

口コミサイトやSNSの評価が原因で辞退するケースも増えており、候補者体験が採用成功に直結していることが明確です。
企業ブランドにも影響する“選考中の体験”
悪い候補者体験はSNSに共有されやすく、企業ブランドを毀損する可能性があります。
弊社の調査によれば、就活生の63%が選考途中でSNSをチェックしていたというデータがあります。

また実際、選考を辞退した候補者の約40%が、その企業の商品やサービスを利用しなくなったというデータもあります。
つまり、候補者体験が悪いと、採用できないだけでなく、顧客も失う可能性があるのです。
一方で良い体験は企業のファン化や将来の再応募につながることもあります。
「あの会社の選考は落ちたけど、とても丁寧に対応してくれた」と感じた候補者は、友人にその企業を勧めてくれたり、将来再応募してくれたり、顧客として商品を買ってくれたりするのです。
選考辞退は6つのタイミングで起こる|フェーズ別に見る離脱ポイント
候補者体験を改善するには、まず「辞退がどこで起きているか」を知る必要があります。
採用プロセスは、大きく 前半フェーズ(認知・興味) と 後半フェーズ(理解・意思決定) に分かれます。
それぞれに3つ、合計6つの辞退ポイントが存在します。
【前半フェーズ①】応募前:求人を見ているのに応募されない
最も多くの候補者が離脱する(応募しない)のがこの段階です。
この段階は、求職者がまだ自社に応募するかどうかを検討している状態です。求人要件を見て興味は持ったものの、会社のことをもっと知りたいと思っている段階です。
ここでの離脱理由は以下のようなことが考えられます。
- ・求人票と採用サイトの情報に魅力がない
- ・SNSや広報コンテンツにリアリティがない
- ・企業理解が深まらず不安が解消されない
- ・エントリーフォームが複雑で応募ハードルが高い
このように、近年の候補者はあらゆる情報源から会社のことを調べます。
そこで魅力的な情報が見つからなければ、応募に至りません。
では、どう対策するべきか。具体的な施策として、
- ・採用サイト、採用動画、SNSでの採用広報の強化
- ・ストック型(採用サイト・動画)とフロー型(SNS)の両軸で発信
- ・オープンポジション・カジュアル面談など“応募ハードルの低い入口”を用意
- ・書類の代わりにSNS(Wantedly等)URLで応募可能にする
などがあります。
求人を見ているのに応募されないケースは非常に多く、情報不足や魅力訴求の弱さ、応募ハードルの高さなどが理由になります。
いいコンテンツがあっても、届かなければ意味がないので、コンテンツを充実させることと、それを届ける手段を増やすことの両方が大事なんです。

【前半フェーズ②】応募後〜カジュアル面談/説明会:温度感が下がりやすい
応募直後は候補者の熱量が最も高いタイミングです。
しかし、ここで「対応が遅い or 一方的な説明」が行われると、一気に熱量が下がります。
よくある辞退理由として、
- ・カジュアル面談なのに面接のような雰囲気で萎縮
- ・説明会で知りたい情報が得られない
- ・一方的な会社説明で理解が深まらない
などがあります。
そしてここで辞退されないための対策として、以下のような取り組みがあります。
- ・カジュアル面談で選考している感じを出さず、リラックスした雰囲気で行う
- ・会社説明会では一方的に話すのではなく、双方向の対話を重視
- ・現場社員との質疑応答の時間を設ける
- ・少人数でのグループディスカッション形式で声を拾う
などこうした対策を講じることで、応募者は安心して会社のことを知ることができ、志望度を高めた状態で本選考に進むことができます。
【前半フェーズ③】書類選考前後|「スピード負け」での離脱
最も多い辞退理由が スピード負けです。
例えば、
B社:1週間返信なし
こうなれば、志望度はA社に流れます。
書類選考の平均日数は3.8営業日というデータもありますが、41%の企業は1営業日以内に返答しているという結果となっています。

そのため、
- ・応募確認・日程調整は“当日〜遅くとも2営業日以内”
- ・時間がかかる場合はその旨を先に伝える
- ・日程調整ツールを導入し、ラリーを減らす
このような対策を行い、スピード感を意識しましょう。
こうした迅速で丁寧な応募確認を行うことで、応募者は自分が大切にされていると感じ、会社への期待感が高まった状態で次のステップに進むことができます。
【後半フェーズ④】一次面接前後|期待値と現実のギャップで辞退
一次面接は候補者が「会社の人と初めて会うタイミング」であり、
印象が最も左右される重要フェーズです。
この段階での辞退の原因として、
- ・面接官の態度・質問内容に違和感
- ・募集要項の内容と実際の説明にギャップ
- ・企業理解が深まらない
など、募集要項や企業ホームページで見ていたイメージや説明会で感じていた印象とのギャップから生まれることが多いです。
そのため、対策として以下のような点を意識しましょう。
- ・面接官トレーニングを徹底
- ・会社の強み(5P:Product/Privilege/Profession/People/Philosophy)を整理
- ・応募者の質問に丁寧に回答
- ・面接後に補足情報をフォロー
特に面接官トレーニングは非常に重要です。

上記のように、面接官は会社の顔であり、応募者にとっては会社そのものなんです。
そのため、面接官には応募者を見極めるスキルだけでなく、応募者に会社の魅力を伝えるスキルも必要になります。
【後半フェーズ⑤】最終面接前後|他社との比較での敗北要因
応募者は複数社の選考を並行して進めていることが多く、この段階では「他社との検討比較が本格化する」フェーズです。
そのため、この段階での辞退は、他社との比較で負けてしまうケースが多いです。
具体的には
- ・給与、条件面で劣る
- ・事業の将来性に不安
- ・経営陣との相性
- ・キャリアパスが不明瞭
など、あらゆる面で比較されます。
対策としては、
- ・「あなたを採りたい理由」を言語化し、明確に伝える
- ・他社の選考状況を確認し、内定タイミングを調整
- ・応募者のキャリア希望と自社の魅力を結びつける
- ・最終面接ではトップ自ら「未来のイメージ」を語る
このように明確に伝えることで、応募者は自分が本当に必要とされていると感じることができます。
【後半フェーズ⑥】内定後〜承諾前|最も辞退率が高い危険ゾーン
内定後は候補者が最も悩む時期であり、他社からのオファーや現職の引き止めによって辞退が発生しやすいフェーズです。
候補者体験を改善する最大のメリット
候補者体験を整えることで、次のようなメリットがあります。
- ・選考辞退率が下がる
- ・志望度が高まる
- ・採用活動が短期化する
- ・内定承諾率が上がる
- ・リファラル採用が増える
- ・不採用者すら企業のファンになり、長期的なブランド資産になる
以上のように、候補者体験を改善することは、採用に大きなメリットがあるのはもちろんのこと、企業のブランド価値も向上させる非常に重要な要素です。
逆に、候補者体験が悪いと…
- ・SNSでネガティブな投稿がされる
- ・口コミが悪化し応募数が減る
- ・商品やサービスの利用離れにつながる
このように候補者体験は「採用の成果」だけでなく「企業価値」に直結する重要テーマなのです。
今日からできる候補者体験改善ステップ
「候補者体験が重要であることがわかった。でもどこから手を付けたらいいか分からない!」
そう思っている方もいらっしゃると思います。
以下の点からまずはやってみましょう!
- 1.自社の辞退率を可視化する
- 2.どのフェーズで辞退が多いかデータを収集する
- 3.辞退者へヒアリングを実施
- 4.スピード改善・面接官教育など“小さな改善”から始める
- 5.採用動画など候補者理解を深めるコンテンツを導入する
- 6.内定後フォローの仕組みを整える
候補者体験は応募から入社までの全プロセスに関わるものです。
一つのフェーズだけ良くしても意味がありません。
穴の空いたバケツに水を入れるようなもので、どこか一つでも穴が空いていれば、候補者は流れ出ていってしまいます。
採用は長期戦です。今日の対応が3ヶ月後・半年後の結果を左右します。
また、「候補者体験改善チェックリスト」も用意しました。
このチェックリストを使うことで、抜け漏れなく、どこで辞退が発生しているのかを把握することができます。
ぜひ、ご利用ください。
まとめ:選考辞退にお悩みのすべての方へ
本コラムで紹介した内容は、多くの企業が見落としている重要ポイントばかりです。
しかし、すべてをいきなり改善するのは簡単ではありません。
そこで、
自社がどこで辞退を生んでいるのかが一目でわかる「候補者体験チェックリスト」
をご用意しています。
採用活動を改善する第一歩として、ぜひ活用してみてください。
選考辞退は偶然起きるものではありません。
応募前から内定承諾までの各フェーズで発生する、小さな体験の積み重ねが原因です。
候補者の立場で自社の選考プロセスを見直してみてください。
そして、一つひとつの体験を丁寧に設計していくことで、
企業は「選ばれる存在」へと大きく変わっていきます。





